彼らからのエネルギーが拳に
「時間いっぱいやるのでしゃべりません」という横山優也(Vo&Gt)の一言で幕を開けたのは、いま同年代からの支持がもっとも熱いであろう、KOTORIだ。
「1995」で「時代を超えてゆけ」という歌声が貫くと、若者だけでないお客さんのエネルギーも上がる。
音が鳴り止まずにそのままキラー・チューン「トーキョーナイトダイブ」へ。
お客さんの拳がまっすぐに上がる。その拳には、KOTORIとお客さんの共鳴を感じた。
「トーキョーナイトダイブ」から一転、上坂仁志(Gt)の赤色のギターに視線が移ると、場内もライトで赤く染る。「RED」だ。
まるで夕暮れのような情景をバックに、あと2ヶ月で今年も終わることに気付かされ、感慨深くなっているところに「素晴らしい世界」が続く。
イヤモニが取れていることも気にせず、頭を振るメンバーたちを見ると、
うまくいかないことの多い世界も、じつは素晴らしく見えてくる。そんなことを音で主張しているかのようで、お客さんは、またしても拳を突き上げて共鳴した。
最近うまくいかない、それでも素晴らしい世界と突き刺すような音での主張に、お客さんは、またしても拳を突き上げて共鳴した。
そして「We Are The Future」へ。
細川千弘(Dr)の踏み鳴らして歩くようなドラムは、未来への願いを思わせる一曲だった。
私達は時間いっぱいにKOTORIのサウンドを浴び、楽しんだ。
横山の「ありがとうございました」までがあっという間だったようにも思う。
お客さんの拳があがってしまうほどのエネルギーを、彼らから受け取った。