Black petrol

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

竜巻のように押し寄せるグルーヴ

Black petrolはジャズを軸とした2MC, Gt, Ba, Key, Sax, Drの7人組ヒップホップ・バンドだ。8月に行われたナノボロ2022にも出演し、最高に気持ちいいステージを披露してくれた彼らが、今度はGREEN SIDE STAGEに立つ。

チューニングを終えた彼らは袖に下がることなく、そのままオン・ステージ。
ストリートっぽさのあるファッションに身を包む彼らの出立は、“日常の延長線上に音楽がある”というようなリラックスした空間を作り上げてくれた。

一度音が鳴りだすと、体を揺らせずにはいられない。キレのある高音でテクニカルなラップを紡ぐSOMAOTA(Vo)の声をより粒立たせるのは、ひとりひとりのスキルが惜しみなく展開されるバンドのメロディだ。ジャム・セッションのように、お互いのグルーヴを感じながら、ノッているメンバーのことは存分に煽り合う。

「Plus One」では、「Thank you! ガンガンいくんで付いてきてください」と口火を切ると、最高にアガるベースにのせてSOMAOTAがリズムを作っていく。ドラムやキーボード、サックスが加わり竜巻のように音を巻き上げてこちらに押し寄せてくる。笑ってしまうくらい最高だった。

「はじめて見る人いるー?」たくさん手が上がる。「カッコイイなと思った人ー?」もっと沢山手が上がる。「嬉しい! 本当に嬉しいです」と笑顔で観客の様子を伺う。こちら側はもう彼らの虜だった。

会場があったまったタイミングでスペシャル・ゲストとして空音が登場し「STREET GIG feat.Black petrol」を披露すると、会場は驚きと喜びに思わず声があがった。ステージ中央でバチバチと掛け合う2MCのパフォーマンスにスリリングなサウンド。今日しか見れないコラボレーションはボロフェスタの来場者にとっても思いがけないプレゼントになった。

今回は残念ながらONISAWA(Vo)抜きでのパフォーマンスとなったが、12月に大阪CONPASSで行われるワンマンは7人でのライヴが見れるはずだ。
完全体の彼らのパフォーマンスが見てみたくなるステージだった。

Photo by 羽場功太郎
Text by 奥野ひかり