どすこいSTAGEで出逢う、あたたかなリヴァーブ
やっほーからバトンを引き継ぎ、どすこいSTAGEに登場したのは、ボロフェスタには初出演となるTokiyo Ootoだ。
「嫌いなお前と」から。ポップなのにほんのりサイケがかったギター。アンニュイでピュアな声。ゆったりと自由な音楽が身体をなぞりゆっくり沁み込んでくる。そして愛しくて切なくて泣ける独特なメロディは、どの角度を切り取っても、味のある古風さが感じられる。身を任せれば不安を少し軽くしてくれる。
ライヴは「Headache」へ。独特の陰鬱さと麗かさが同居した世界観は、体の向きや何気ない目線、ちょっとした息遣いなど、すべてが身近でその懐に抱きしめられる。お客さんとの間にある距離を伸縮させてゆく。
MCでは、「ミニマルに人と深くつながりたい。みなさんをひとりだと思って、ひとりに対してやってます」と語り、「ICE」へ。彼女から出てくる言葉の一粒一粒に、意味や想いが込められていて、わたしたちにまっすぐ入ってきた。どこまでもやさしくて、聴いていると世界がこんなにも肌触りがよいものだと思い出させてくれるから、彼女のライヴは最高だ。
ロビーは温かくゆるやかな空気に満ちていて、お客さんとの心の距離がとても近いライヴだった。