街の底で輝く青春のひととき
「街の底に出たアンダーグラウンドの同志のバトンを受け継いでフィニッシュしたいです!」ティッシュティッシュボーイはステージ前にツイッターでつぶやく。開場前から長蛇の列を作った街の底ステージ。ゴールテープをド派手に切って最高のフィナーレを迎えた。
パフォーマンスの始まる前、オーディエンスにはアルミホイルで作られたエイリアン帽が渡された。ホワイトのライトに照らされてキラキラ反射。年齢、性別、国籍全てを超越するコスモポリタンのマインドに。何にも縛られることなく、彼らの熱狂に集中できるユニークな仕掛けだった。
ギター、ベース、ドラム。初っ端から爆発にちかいサウンドが体に突き刺さる。青春期の暴力性を音で表現したような、いい意味でバイオレンスな演奏スタイルを目にして、切ない感情まで込み上げてくる。トリだからってわけではない、彼らはいつだって全力でパワフルだ。汗だくで楽器を鳴らし続けるメンバーの輝きが、会場の熱気を極限まで引き上げた。
アグレッシブな演奏にオーディエンスは体をアップ・ダウン。隣り合うもの同士で肩を組み、マスク越しからでもわかる満面の笑みを浮かべながら音に乗る。暗ければ暗い方がいい。底には底のよさがあることを思い知らされるフロアだった。
最後に披露されたのは、今年の春リリースしたばかりのファーストアルバム『TISSUE TISSUE BOY』のラストソング「夢がみられない」。女々しい自分に腹が立つ、けれども君を守りたい。そんな気持ちを歌った楽曲で締めくくる、ロマンチックなセットリストに胸がときめく。“朝まで踊ればいい”という歌詞に、今宵のステージの成功が凝縮されているようだった。「これは底なんかじゃないぞ! お前らはみんな輝いている」。アンコールは鳴り止まない。