スカート

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

スカートのオールタイム・ベスト

ボロフェスタ最終日、GREENステージのトップバッターはスカートだ。澤部渡(Vo,Gt)のソロプロジェクトとして活動しているスカート、バンド・セットでのライヴは1年2ヶ月ぶりだと話す。登場してすぐ“ストーリー”を演奏。サポートメンバーのシマダボーイ(Per)と佐久間裕太(Dr)のユニークなプレイに、澤部の歌詞がキレイにハマる。「また今度って言いたい」と繰り返す歌詞に、伝えたいけど伝えられない微細な心の動きを想像してしまう。

スカートがインディー時代にリリースしたサード・アルバム『CALL』、2017年のメジャー・ファースト・アルバム『20/20』はどちらも名盤だ。今回のステージで“CALL”に、“視界良好”、“静かな夜がいい”を披露する。エバーグリーンで、どこか寂しい気持ちになり、でも愛を感じる曲たちに、立体的な想像を掻き立たせる。澤部は「コロナ禍でたくさん曲を作れなかった。ライヴをしたいと思えば思うほど作れなかったけど、その考えを捨てたらできました」と待望の新曲“海岸線再訪”を披露。軽快なメロディーが気持ちいいポップチューンに、今あるタスクを全部投げ出して、海に駆け出したい気持ちが抑えられなくなった。
ラストに「これからものんびりやっていこうと思います」と話しステージを後にしたスカート。

昨年10周年を迎え、ベスト・アルバム『アナザー・ストーリー』をリリース。表題曲である「ストーリー」から始まり、他のアルバムから名曲を引き抜く今回のステージに、
スカートのオールタイム・ベストのように感じた。今日のステージを思い出し、今夜は余韻に浸ろう。スカートのストーリーはまだまだ続く。

Photo by 関 ゆかり

Text by けんてい