ボギー

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

ボギー・ワールド

「あっはうぉっうぉっ、マイクチェック、ベイベー!」「君の元に1-2-3ベイベー!」「まだリハだけどベイベー!」「この時この瞬間を待っていたベイベー!」「福岡の夜行バスに乗ってきたボギーの応援よろしくぅ~ふぅ~!」「ありがとーおっけーでーす」

拍手。筆者は少しの間に混乱してしまった。だが、京都の人たちは、ボロフェスタの人たちは温かい拍手を送る。何がなんだかわからないが、会場のバイブスが絶好調なのは確かだと思った。「これがボロフェスタ・・・・・・!」と感嘆としていると、GREEN SIDE STAGEのトリ、ボギーが登場。怪しげな風貌をした男と一本のギター。さぞ愉快な演奏をするのだろうと胸を膨らませていた。

一曲目は“ロックンロール”。Queenの“We Will Rock You”をオマージュ(?)したパフォーマンスに、MCでサウナの話をすると「予定外なんだけどいいですか、先週サウナの曲作ったんですよ」と、“サウナの歌”を披露。こちらもどこかで聴いたことのあるメロディである。本人曰く、ボギーの歌には、日本人に深く刻み込まれたメロディがあるらしい。合点がいった。とにかく面白い人だとも理解できた。極めつけの、「しっとりした曲歌います」といい、披露した“うんこ”は最高だった。

ボロフェスタ恒例のエンドロール曲“贈る言葉”では、3年B組ボギ八先生(ボギー)を胴上げするくだりがあるのだそうだが、このご時世ではそれは出来ない。ボギ八先生は考えた。なんとしても胴上げがしたい。そこでギター・ケースなどを活用し、由起真の“できるかな”を流しながら、簡易版ボギ八先生を作り出した。無事に胴上げができて良かった。

ボギ八先生が「あながたはバカちんです! 私もバカちんです! なによりもバカちんが楽しむ場を20年守ったボロフェスタがバカちんです!」と熱く叫ぶ姿が、本ライヴのハイライトだったと思う。

Photo by 関 ゆかり

Text by 増井