ワンダフルボーイズ

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

愛と平和と、ワンダフルボーイズとパーティーと。

jizueからバトンを引き継ぎ、ORANGE SIDE STAGEに登場したのは、「マジであった事POPミュージック!」を掲げる6人組ワンダフルボーイズだ。

ボロフェスタには2011年から8回出演しており、毎年、大トリの真裏の時間帯に「街の底ステージ」と呼ばれる地下のサブステージにて、ダンサブルなパーティーを開いてきたが、今回のボロフェスタには、「街の底ステージ」は用意されていないため、広大なKBSホール内で、彼らのパーティーが行われることとなった。

2つのステージ間にある紅白幕で囲われた舞台に立つフレディ・モーグリーをピンスポが照らし、“We Will Rock You”に合わせてドンドンと足踏み、3拍目は拍手でリズムを刻み出す。徐々にお客さんのあいだにも広がっていき、会場が温まったところで、客席後方の空からミラーボール(くす玉)がゆっくり落下してきて、近くにいた男性が紐を引くと「地下ステージ代表ワンダフルボーイズ」と揮毫されたロール紙が垂れた。アーティスト愛溢れる演出でワンダフルボーイズのライヴがスタートした。

ライヴは、“Just Sunrise”から“サウスポーミュージック”。どこまでも壮大な美しさを持つバンド・アンサンブルを鳴らし、ソウルフルなグルーヴやパーティー感を引き出す。ワンダフルボーイズの音楽は何も難しくなくて、穏やかに心と身体を揺らせば、楽しくなる。

“カルチャーシティ”から“Spring summer set”へ。泣けて笑えて踊れるナンバーたちが怒涛のように押し寄せてくる。自分が体を動かすリズムがバンド・サウンドとうまく合うとか合わないとかそういったことはもうどうでもよくて、ワンダフルボーイズの音楽には、聴く人の好みを超えて「気持ちいい」と思わせる力があった。

続く“We are all”では、作られたのはコロナ禍以前でも、コロナ禍があって、曲に新しい意味がプラスされたように感じた。普遍性を持つ曲だからこそ、今後も新たな意味が付加されていくのではないかと思った。

さらに、「平和トゥーザピーポー!」を合言葉とする彼らが表現する世界は、「僕ら愛のようなかたまりさ」と歌う最新曲“77億のLOVE”と地続きだ。レゲエ、ヒップ・ホップ、フリー・ソウルなどの影響を感じさせつつも、それを和製にアレンジしたメロウなサウンドと、「2度と同じライブはしない!」の約束のもとに披露されるライヴ・パフォーマンスでもって、フロアを沸かせた。ステージ上もまた、彼らの関係性が見えてくるような楽しい雰囲気があった。

最後は、「いつの時代もラブ!そして僕らはピース!だから今夜もラブ!ずっと続くよストーリー!!!」がキャッチフレーズのパーティーピーポーらしく、ハッピーな“Joy to the world!”を演奏してパーティーを終えた。

来年、ワンダフルボーイズとは、「街の底ステージ」で再会できたらと願っている。

Photo by リン

Text by 石上 温大