DEATHRO

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

「俺がいちばんカッコいい!」と知らしめたDEATHROのステージング

2週間、計6日間にわたって開催されてきた「ボロフェスタ2021 ~20th anniversary~」は、今日をもって完結する。だから、アーティストたちの気合いの入ったライヴに期待したいし、まちがいなく特別な瞬間をともに迎えることと思う。ぜひ、その目、その耳、その手でたくさん感じていってほしい。

ステージ上では、MC土龍(party navigator)による「瓦割り」のオープニングセレモニーが行われ、6日目のボロフェスタがスタートした。いちばん最初に爆音を轟かせたのは、ボロフェスタには2017年の初出演から4年ぶりとなる、神奈川県央No.1ロック・ボーカリストDEATHROだ。ピンクに髪を染めたDEATHROが登場し、「足枷あっても盛り上がれますか?」とオーディエンスをアジり、ライヴは “DLIVE”から。

DEATHROから発せられる声というサウンドの圧倒的音圧に驚愕し、ステージ上での立ち居振る舞いに、「ロック・バンドのフロントマンにはこうあってほしい!」という憧れを見た。身体ぜんぶで表現するあまり、ステージ上から落下して「本物の “Fallin Angel”になるところだった」という “Fallin Angel”から、DEATHRO流ドリーム・ポップ“STARDUST MELODY”へ。

とてもポップでメロディアスな8ビートはノリやすく、どこか懐かしさを感じる。王道ジャパニーズ・ロックのDNAを受け継ぐDEATHROのフロントマンとしての風格と、力強い歌声は、KBSホールに興奮の渦を巻き起こしていく。「京都へのビッグ・ラブを込めて」と歌われた“with PAIN”では、小野寺陽多(Gt)、伊藤たかし(Gt)、YUKARI(Ba)、川又慎(Dr)、丸山鮎子(Key)の5人「TEAM DEATHRO」により裏打ちされたロック・バンド然としたサウンドが、DEATHROの歌にある生命力を開花させていく。音源からはみ出した部分が見られる「ライヴ」には説得力が付随するように。

「これからも(ボロフェスタ2021は)続くと思うけど、ここらでどデカいクライマックス作ろうぜ!」と訴え、最後は、ライヴのキラー・チューン“BE MYSELF”。80’sを彷彿とさせるような激情を込めた歌唱には、色気だけでなくDEATHROの「ロック」に対するアティチュードも感じた。

まだフェスは始まったばかりだというのに、オーディエンスと一緒になって飛び跳ねて歌うなど、クライマックスくらい見事な盛り上がりを見せ、ステージを締めた。DEATHROは攻撃の手を最後まで緩めなかった。彼の一撃一撃は、まちがいなく「ロック」だった。

Photo by コマツトシオ

Text by 石上温大