Limited Express (has gone?)

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

『死んでたまるか!』ボロフェスタへの愛情が爆発!

YUKARI(Vo)の「いこうか」を合図に、パーティのようなライヴは始まった。1曲目の“WELCOME TO MY HOUSE”からクライマックスかのようなシャウトが炸裂。メンバー全員のボルテージが最高潮から始まるライブはなかなか観ることがないだろう。観客もジャンプをしたり拳を突き上げたりして彼らに応える。20周年を迎えたボロフェスタを今日までともに盛り上げてきた観客と、Limited Express(has gone?)は、もはや家族のように見えた。

ライヴの最初から最後までステージの上を駆け回り、マイクを投げたり、くす玉の横へ登って歌を披露するYUKARI。他のメンバーも身体がちぎれるのではないかと思うほど激しく動き演奏する。込み上げる想いを、音楽、自分の身体、空間、何もかもで表現しようという情熱が伝わってきた。3曲目“No more ステートメント”ではコール・アンド・レスポンスがあり、観客は拳をそれまで以上に振り上げて応える。メンバーも観客も、満開の笑顔で盛り上がる姿が非常に印象的だ。

彼らのライヴは、全体的に観客からの拍手が多く、そして長かった。できることが限られている中で最大限彼らに想いを伝えようとする観客と、それを受け取り会場が揺れるほどの音楽で返すLimited Express(has gone?)。ふたつの力が最強の一体感を生み出していた。

とくに“Live or die,make your choice”はその一体感が特に感じられるものになっていた。この曲は「死んでたまるか」、「なにがなんでも」という歌詞でお馴染み、ボロフェスタNEXT ARTIST紹介に使われている楽曲で、今年ボロフェスタに来ているお客さん、配信のお客さん、アーティスト、スタッフなど全ての人が一度は絶対に聴いている曲だ。昨年の開催中止を乗り越え、念願かなって開催できたボロフェスタ2021。その葛藤から喜びまでが“Live or die,make your choice”に姿を変え、観ている全ての人の心に熱く伝わっていたことは間違いないだろう。

いつかボロフェスタのステージで、彼らへの感謝を、想いを、声に出して返せる日が来ることが楽しみだ。

Photo by 関 ゆかりshohnophoto

Text by ヒワタシサキ