オーディエンスをヒップホップのビートに乗せた
情緒的なリリックと想いが乗ったフロウ！
「Le Makeup」からバトンを引き継ぎ、ORANGEステージに登場したのは、京都発ヒップホップ･コミック･バンド「ザストロングパンタロンX」だ。ナノボロフェスタには2年連続の出演である。
フリースタイルでライムを刻みながら歩歩（MC）が登場し、そのままの流れで「共にいこう」をプレイ。情緒的なリリックと想いが乗ったフロウにKBSホールのボルテージが高まる。続けて、彼らがヒップホップを演奏することと、ゲーム『スーパーマリオ』の世界観とを掛け合わせたフックが胸を打つ「よってらっしゃい」を披露し、オーディエンスをヒップホップのビートに乗せていく。
そして、レイジーかつドープなトラックが鳴り始め、「一心不乱」へ。“好きなことに一心不乱”と歌うリリックを体現するように、歩歩がステージに置かれた5段ある脚立の上から飛び降りるなど、観る者を楽しませるパフォーマンスを繰り広げてみせた。「今日は、俺たちの “庭” という気持ちで遊びに来ました！」と曲紹介し、4曲目「庭」をプレイ。テンポが一気に上がり、オーディエンスの縦ノリが激しくなっていく。
人からすればちっぽけなことでも自分にとって “でっかいこと” なら、最後の最後に笑えるまでやってやろうじゃないかと、夢について歌った「でっかいことを成し遂げるんだ」では、賛同するように拳がフロアから突き上がり、筆者としても、リリックから “諦めないこと” に対する意地や気概を感じてグッと来た。
オーディエンスと共に腕で大きく「X」の文字を作ったり、本日のライヴの第一位を発表したりと、1秒も無駄にせず、彼ららしいユーモアで会場を盛り上げ切ってフィニッシュ。
「来年も二条城どろんこステージからでも出たい！」だったり、「こんな状況でも続けているボロフェスタ（良い意味で）クレイジーだろ！」だったり、「このパーティー（ボロフェスタ）が続くことを心から願っています」など、ボロフェスタ愛が溢れて零れたようなMCが印象的だった。
