さよならポエジー

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

背負わないさよならポエジーの盤石っぷり

数年前の<Odd Number Festival>でオサキアユ(Vo&Gt)は「トリじゃないみたいなバンドでしょ?」と笑いながら語っていたが、自身初の全国ツアーを経た現在のさよならポエジーは、トリにふさわしすぎる存在感を放っている。

「右手にはさっき観たbachoのエネルギーを、こっち(左手)にはリーガルリリーが宿っています。そして、ど真ん中にはボロフェスタがあります! 背負わず気負わず“我々”をやっていきたいと思います」との誓いからパフォーマンスされたのは「拘束のすべて」。機材トラブルでベースが鳴らなくなった岩城弘明(Ba)がアンサンブルに復帰すると、オサキは「きたきたきたきた!」と咆えた。顔をほころばせて2人とアイコンタクトを交わすオサキの背中には、3人で爆音を響かせられることへの喜びが溢れていて、それはまさしく「“我々”をやる」ことであったと思う。

クライマックスでは、集ったオーディエンス1人1人の幸福を祈った「前線に告ぐ」を経て、「湿っぽく終わろうと思ってたんですが、辞めます!」と急遽、「金輪際」でゴールテープをぶった切る。気負わない生活の延長線上で鳴ったさよならポエジーの音楽が、一度きりしかない今日を彩り、いよいよボロフェスタ2日目もグランドフィナーレへ!




Text by 横堀つばさ

Photo by 内田美早紀