おっさんだって若者だってやりたいよ！
「酒相撲しようぜ！ 」
今年もお決まりの声が聞こえてきた。酒を片手に続々と集まってくる猛者たち。ボロフェスタを語る上で欠かせない漢、クリトリック・リスがどすこいにオン・ステージだ。
さっそく、前のめりな姿勢で腹の底から声を出して手を振るおっさん多めのオーディエンス。とんでもない一体感と熱気に包まれている。ステージで輝く赤ら顔のおっさんで彼以上の人物はいるだろうか？
徐々に超満員になるフロアのボルテージは上がり続け、「1989」の時点で35分の持ち時間は残り5分。「まだ何もできてない！ 」とスギムは後ろまで闊歩し、客と肩を組み後方フロアでステージを展開。タイミングよくKOTORI終わりでホールから続々と出てくる年齢層が若めなお客さんにも絡みまくるおっさん。そして、ノリノリで彼の世界に取り込まれていく若者たち。今この瞬間、今日も世界は平和だなあと思わせるような馬鹿で最幸な空間が広がっていた。
最終的に、「おっさんライオット」では年齢関係なく拳を突き上げ、モッシュが起こり、フロアは笑顔で溢れている。ボロフェスタに出続けている最年長のこのおっさんは本当にすごい。このどすこいSTAGEを「誰にも譲りたくない」と語り、15分オーバーでトリを締めたスギム。どうか来年も、ボロフェスタで観れますように。
Text by キムラアカネ
Photo by 定藤孝徳
