開いた窓のそと
ボロフェスタ2024初日の街の底STAGEラストは、東京を拠点に活動するベランダ。
「6年ぶりにリリースになったアルバムがすごく良くて。初日の街の底STAGEの最後を飾るのはベランダしかいないと思った」と言う、パーティー・ナビゲーター:MC土龍の信頼を背負い、京都に彼らの音楽を届けにきた。
髙島颯心(Vo&Gt)に中野鈴子(Ba&Cho)の歌声は、例えば左目に赤、右目に青のフィルターを貼った3Dメガネを通して見ると線が立体的に見える仕組みのように、重なることで立体感を生む。
田澤守(Gt&Cho)は感情を解放してギターをかき鳴らし、若松祥太郎(Dr)はドラムのシンバルが飛ぶほどのアクトを見せた。
夜風に当たってベランダで煙草を1本吸いたくなるようなあたたかな音像から、切迫するような轟音も持ち味の幅広い表現力を持つバンド、ベランダ。
そんな彼らが今年の4月に出したアルバム『Spirit』を、ぜひ生活のお供にしてほしい。
Text by 松下愛
Photo by 加藤はな