yonawoのリフレインは会場を虜にした
KBSホールの周りもだいぶ暗くなってきた頃、福岡発バンドのyonawoがORANGE SIDE STAGEに登場。彼らのサウンドはジャズ、ブルース、ソウルの要素が複雑に絡み合っている。彼らが既存の音楽ジャンルを再構築して生み出したものは、もはや「yonawoジャンル」と言ってもおかしくない。2週に渡って行われるボロフェスタ出演アーティストにおいてもひときわ異彩を放っていたように思う。
1曲目の“浪漫”、続く“ごきげんよう さようなら”はどちらも荒谷翔大(Vo,Key)の低く甘い歌声で歌われる。荒谷と斉藤雄哉(Gt)のコーラスが織りなす代表曲“矜羯羅がる”はムーディーかつ奥行きのあるメロディで、「矜羯羅がる」とリフレインされる。BPM遅めのジャジーな雰囲気に、会場はうっとり。お酒が欲しくなってしまう。
今日の出演者を見ると、爆音だったり、鋭い音を持ったアーティストが多かったためか、荒谷は「僕たちはちょっと異質かもしれません」と話していた。それでも、彼らの心地良い音は、KBSホールに新しい風を吹かせていたし、緻密な計算で打ち出した独自のサウンドは、会場を虜にしていたと思う。今日の出演者の中に確かな爪痕を残し、そして彼らのまた次の世代をも刺激するようなプレイだったと思う。
Photo by 関 ゆかり
Text by けんてい