傷つくことのない荘厳さ
始まったばかりだと思っていた京都<CLUB METRO>の夜も、気づけばあっという間に折り返し。酔いも回ってきたこのタイミングでFRONT STAGEには、大阪出身の電子音楽家であるSeihoが登場した。
フラジャイルな手触りの電子音は、ここまでのプレイで火照った身体にじんわりと浸透していく。
かと思えば、突如として重低音が隙間なく鼓膜を埋め尽くし、じっくりとビルドアップしたところで、激しく頭を振りながらブレイク。ストロボに急かされるがごとく演奏も攻撃性を増していくものの、一貫して流れる旋律の荘厳さは損なわれることがない。スモークの中にぽつりと浮かび上がるSeihoは”降臨”とでも言うべき存在感を放っており、これには客席からも「格好良い!」の歓声が投げられていた。
眠気を爆音で吹き飛ばす1時過ぎ。いっそうディープに、もっと潜るように。今宵もいよいよ後半戦へ!
Text by 横堀つばさ
Photo by 定藤孝徳