ゆったりとくつろいで
どすこいステージ本日最後のアクトは西村中毒。
渚のベートーベンズであったり、西村中毒バンドであったり、
宅録であったりといろいろな肩書を持っている彼だが、
今日はギター1本のソロ・セットで登場した。
「ハローイッツミー」では、力強いストロークで観客を魅了、
繊細でやわらかな歌声がステージを包んでいく。
情緒が豊かで、風景描写も巧みな彼の音楽。
私達の体にすーっと入って、ふっと染みていく、
日常をさり気なく彩る音楽だ。
口角を上げるようにして引き出されるファルセットも、
無邪気で飾らない感じがしてカッコいい。
くしゃくしゃになったタバコの描写がなんとなくリアルな「ハイライト」や、
バンド音源とはまったく違った疾走感で魅せた「犬」など、
この日は8曲ほどを披露した。
鳴っている音の数が多くないからこその発見もあるし、
彼の作る音楽の骨格がよく伝わってくるステージだった。
遊び疲れた観客たちもしっとり、ゆったりと聴き、
1日目最後の時間を満喫しているようだった。