Newdums

ナノボロフェスタ2021
ナノボロフェスタ2021

Photo byshohnophoto
Text by梶原 綾乃

クールで熱く、経験値の高さがうかがえるステージ

続いて登場したのは、神戸出身のNewdums。
UKガレージ、インディ、ブルースなどを内包した、大人なロックナンバーを鳴らす4人組だ。
1曲目「Naked」から、ブルージーな風がこの会場に吹きわたる。Yuichiro tanno (Dr)のずっしりとしたドラムから、Seita Hirama (Ba)のベースが自由に動き回り、やがてドラマチックな音が鳴らされていく。

「Anytime」では、疾走感のあるギターに、渋い歌声が乗っかる。中盤のきらびやかなギターソロの早弾きもカッチリと決まっていてかっこいい。「Another one」では、リズム隊がたくましく、気持ちよく踊らされてしまった。
続いて「Behind the door」では、消え入りそうなくらいの儚さでもって、Kojiro Hayashi (Gt.)のイントロのアルペジオが鳴らされた。e.shogo(Vo.Gt)の色っぽい歌声と、彼自身の佇まいのクールさに惚れ込んでしまう。

バンドにはいろいろなタイプがあるけれども、彼らはちょっぴり即興的な要素もあると思った。彼らの演奏力は巧みで、いずれのパートも緻密な作りをしている。それらの音が立体的に重なって、今ここで彼らの音となっていく。そのリアルタイム感に、とてつもない生命力を感じたのだ。

最後はどこかカントリー調な「Daydreaming」でしっとりと始まり、やがて熱を帯びた演奏となっていき、ステージを締めた。その経験の厚みが感じられる、熱量のこもったステージは、決して涼しい顔で見ていられるものではなかった。