WANG GUNG BAND

ナノボロフェスタ2021
ナノボロフェスタ2021

Photo byリン
Text byヒワタシサキ

WANG GUNG BANDが魅了した、暖かく楽しいステージ

昨年に引き続き2年連続出演となったWANG GUNG BAND。杉本周太(Gt.Vo)、藤沢信次郎(Key.Vo)、小俣拓磨(Ba)、大池奏太(Gt.Cho)、田中涼太(Dr)、奥田恵加(Key)、浅岡華波(Sax&Cho)の7名で構成されたバンドだ。

代表曲である「SUNDAY」から始まった彼らのステージは暖かく、どこか懐かしい、最高に楽しいひとときだった。柔らかに折り重なる歌声に涙が出るのを堪えていた。何よりステージ上のWANG GUNG BANDのなんと楽しそうなことか。彼らを観ていると、世界のなにもかもが大丈夫な気がしてくるのだった。

曲が終わると自然に拍手が湧き上がった。杉本秀太は「いいね。そのまま手拍子にできる?」と観客にリクエスト。しかしなかなかカウントが取れず「ごめん!BPMが違った!」と大爆笑を巻き起こした。

そうして始まった2曲目「KITTO」。取りやめになったはずの手拍子だったが、曲が始まるとせずにはいられない。また、自然と手拍子が始まった。穏やかなメロディーに艶やかなサックスの音が泳ぐ。会場の全員が笑顔だった。KBSホールで音楽を鳴らせるということ、聞けるということの喜びに包まれる。星が瞬くようなキーボードの音、澄んだ歌声、WANG GUNG BANDの全ての魅力が発揮されたステージとなった。

3曲目「SPICE」では最高潮の盛り上がりを見せ、何とドラムのハイハットが壊れるほど。
ハイハットを直し「星の夜」へ。8月の夏の夜、ナノボロフェスタにぴったりの曲だ。観客も夜空の星を見ているかのような、温かい気持ちだった。

「素敵な曲で終わりますんで」杉本はそう言い、とうとう最後の曲となってしまった。「素敵な相棒」が始まり、WANG GUNG BANDの笑顔とともに温かいサウンドに包まれる。もう終わってしまうのか、という切なさとともにステージは幕を閉じた。WANG GUNG BANDは1stフルアルバムのリリース(9月15日)と、それに伴うツアーの一次先行を控えていると話した。また彼らの音楽が聴ける。今、私たちに必要なのは彼らの音楽だろう。今後の活動も要チェックだ。