圧巻の次世代ガールズパワーに今後も期待!
さあ、ナノボロ2022もいよいよ終盤戦に入った午後7時半。GREEN SIDE STAGEでエネルギッシュなライヴをしたUlulUの余韻が会場に漂っている。そんなバトンを引き継ぐかのようにORANGE SIDE STAGEのトリで登場したのは、2019年結成の大阪発4人組バンド、ヤユヨだ。青い光が照らされるステージにSEが流れる。お辞儀をしながら、タオルを掲げながら、手を振りながらメンバーがついにオンステージ。
ポップでカラフルな洋服を身に纏ったリコ(Vo.&Gt)の圧巻の声量と音域の広さで序盤から観客を惹きつける。そして、とにかくステージを動き回る! 茶目っ気ある笑みや表情を見せながら、体をくねらせながら、サイドの高めのポニーテールを振り回しながら彼女は踊り歌い、全身で音楽を表現しているのだ。「大阪からきましたヤユヨです、今日はよろしくお願いします〜! 」1曲目から完全に会場を掴み、“futtou!!!! ” に続けて “うるさい! ”でも、とにかく彼女たちは動き回る。ステージ上には華やかなハッピー・オーラと音のカッコよさ、力強さが渋滞している、まさにそう感じた。観客は拳を突き上げ、クラップをし、これからさらにどんなライヴをしてくれるのだろう? という空気が漂いまくっている。そんな期待感に対して、「楽しんでるかーい!? まだまだいくぞー! 」と叫び前へ前へと勢いを加速させライヴを作り上げている。
また、“あばよ、”では雄大なメロディにのせて、「本当に神様よりも信じていました かけがえのない君でした」と過去の淡い恋心からの移り変わりを描き、切なさと強さの対比が見える。自身の恋心に対してあばよ、と別れを告げて前に進んでいく女の子の心情がありありと歌われている。出会いと別れを積み重ねていく力強い女の子の姿。ガールズは強い! ヤユヨはそう思わせてくれるバンドだ。
「今回ナノボロ初めて出させていただきました。ありがとう〜! この立派なホールに、容赦なくロックン・ロールを残して帰ろうと思うのでよろしくお願いします! 」と叫んだのちに“さよなら前夜”を披露し、このホールの熱気はマックスだ。お客さんはノリノリで手を挙げており、メンバーを含むここにいる全員がヤユヨの鳴らす音を全身で感じている。そして、ぺっぺ(Gt&Cho.)、はな(Ba&Cho.)、すーちゃん(Dr&Cho.)が全力でマイクに向かって歌う姿やアクセントあるキメなど、4人全員が曲に魂をのせている姿が何とも泥臭くカッコいい。
「ありがとうございました! また京都! 来ます! 最後まで楽しんでいって〜! 」と、ヤユヨはステージを最大限に駆け巡りながら、最高のパフォーマンスで締め括ってくれた。こんなにステージ上を釘付けにさせるライヴをする彼女たちがいればまだまだロック・シーンは大丈夫、そう思わせてくれるような圧巻のステージであった。彼女たちは今後もっともっと大きく強くなるだろう。次世代のガールズパワーに期待したい。
Photo by shohnophoto
Text by キムラアカネ