SEVENTEEN AGAiN

ナノボロ2022
ナノボロ2022

どうかこれからも、私たちのロック・ヒーローであってほしい

「楽しい!」というお客さんの心の声、そして、ここで鳴らされる音楽への充実感が会場全体に溢れている8/21夕方。ORANGE SIDE STAGEのネクスト・アーティストは、「君が君であり続けるために」音を鳴らし続けてくれているロック・バンド、SEVENTEEN AGAiNだ。

アーティスト紹介映像後の出だしのタイミングが少しずれ、「こういうの何回やっても慣れなくて……よろしくお願いします! (笑)」と照れながら始まったものの、叫び歌う、その爆発力。まさにライヴが、彼らがパンク・バンドたりうる所以を示している。ヤブソン(Vo.&Gt)のステージ上で飛び跳ね魂込めて叫ぶ力強い姿に、これがロックだ! と思わされ、「一緒に叫んで飛び跳ねたい! コールアンドポンスしたい!!!」 そんな衝動に駆られる。

3曲目の“COME&THROUGH”までで、すでにフロアもステージも両手を突き上げまくっている。KBSホールをパンク・ロックの空気にしつつ演奏されたのは、彼らの代表曲ともいえる“絶対君じゃ嫌なんだ”。「僕ら普段東京で活動してるんですけど、東京から京都に来すぎていて、もう隣町に来るくらいの感覚でいる」というヤブソンのMCを挟み、昨日出演していたULTRA CUBと10/2(日)に〈livehouse nano〉で行うツーマン・ライヴのお知らせが。それだけ京都に関わり続けてくれていて、私たちに音を届けてくれていることが何よりも嬉しい。

続いて演奏された“こんな日も”では、「こんな日もあるのかと 久々に思えたんだ」と歌い上げる。混沌とした日々を生きる中でも希望はあるのだということを私たちに思い出させてくれる。

「SEVENTEEN AGAiNでした、ありがとうございました! またどこかでお会いできたら嬉しいです」と言い最後に演奏されたのは2021年9月にリリースしたアルバム『世界は君たちを変えることは出来ない』より、表題曲“世界は君たちを変えることは出来ない”。「全てを分かり合える事は出来ないし 君を救うことは出来ないかもしれない だけど 世界は君たちを変えることは出来ない」という歌詞にもあるように、彼らは私たちの声は聞こえているよ、と肯定してくれる存在だ。

真っ直ぐ歌い続ける姿が最高にロックで最高にカッコいい。マイクを口に咥え、バスドラからジャンプする姿に、ステージ上で全てを出し切る勢いで暴れる彼らに。彼らはずっと私たちのロック・ヒーローであってほしいと強く感じた。

Photo by shohnophoto

Text by キムラアカネ