休日に最良な音楽を届けたWANG GUNG BAND
秋晴れの土曜日12時50分。老若男女問わず会場にはお客さんが来ておりWANG GUNG BANDの演奏を楽しみに待っているようだ。お昼過ぎのまったりした空気が会場に流れる。そんな会場に口笛が鳴り響いた。この曲は“SUNDAY”のイントロだ。70~80年代の曲が流行る昨今、WANG GUNG BANDの楽曲は年代問わず好かれると感じた。
「夏から秋にかけての支度の途中」「クダらなくても笑えてたんだ」と、なんでもない日常の瞬間を切り取った歌詞に、会場にいたお客さんは身体を横に揺らして喜びを表現しているように見えた。会場外から口笛を聞きつけたのか、体を揺らしながら入場してくるお客さんもいた。
音楽を生で聴くことが非日常になった頃を思うと、なんてことのない日常の歌詞に温かさを感じた。お酒片手に大合唱で「ラララララ ラララララララ」と歌いたくなった。
ライヴ中盤、杉本周太(Gt,Vo)が「今日は土曜日で休日なので……“HOLIDAY!”を聴いてください」と話し“HOLIDAY!”を演奏。杉本の声に浅岡華波(Sax,Cho)のコーラスが乗り、美しいハーモニーが会場に響いた。メンバーもお客さんも、今日は休日気分のようだ。みな心の緊張がほどよく緩んでいて、ゆったりと幸せな時間が流れていた。
MCはほぼなく、たっぷりと演奏する7人。疲れた様子を見せずMCでは「今日は来てくれてありがとうございますーー!最後まで楽しんでいってくださいねーー!」とにっこり話す杉本。心地良さそうに、且つひとりひとりの演奏レベルが高い彼らに「良いバンドでしょ?WANG GUNG BAND!」と藤澤信次郎(Key,Vo)が誇らしげに話してくれたとき、ずっと仲良くあってほしいと思えた瞬間だった。