踊る!ディスコ室町

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

ボロ・ディスコ・ナイト!!!

ボロフェスタ2021、3日目のORANGE SIDE STAGEでトリを飾るのは、『京都は上京区、室町通り、武者小路を下がったところ、アパートディスコ室町の420号室からやってきたファンキーでグルーヴィな男たち。』、踊る!ディスコ室町だ。音出しの時点から会場はノリノリ。今回はメンバー5人にホーン・パーカッション隊が加わった9人体制でのライヴだ。

バンド紹介のムービーが投影され、メンバーがかっこよく登場。すぐに演奏が始まり、KBSホールは一夜限定のディスコに一変。初っ端からエンジン全開だ。爆音で演奏される音楽に、観客は想い想いの形で踊る、踊る、踊る。みんなが同じ形でノったり手を挙げる姿はこの3日間で何度か見ることがあったが、踊り方に個性があり各々が完全に自由な形で踊っている姿を見ることはなかったので、筆者としては驚きの光景だった。とは言いながらも、自分も無意識に踊っていることに気がつく。体を動かさずにはいられない、そんな空間だ。

“ODORUYO〜NI”では「1,2,3,フー!」、「YEAH YEAH YEAH YEAH YEAH」と歌うミキクワカド(Vo)に合わせて、観客が両手を高く上げる。そのフレーズ以外の時には自由に踊り、この振りだけが揃うので、ものすごい一体感だ。ミキはMCで、「なんか、縛りの中で楽しむっていいですね」と語った。マスク着用・声は出さないように・密集を避けて……と増えるルール。それがあるからこそどう楽しむかと考える部分を楽しんでいる、彼らは最強だと感じた。

最後の曲“楽しいのがいい”にその考えは集約されていたように思う。盛り上がりに拍車をかけるギターソロ、お手本のように踊ってみせるモチヅキ・タンバリン・シャンシャン(Tamb)の姿。ホーン隊とサックス・トランペットの音も加わり期待以上の音圧とグルーヴだ。そして、よくみてみると観客も床にテープで区切られた枠組みの中で最大限の踊りをしている。踊らせる天才と踊る天才の超絶ファンキーでグルーヴィーな夜だった。踊る!ディスコ室町、最高の夜をありがとう。

Photo by 関 ゆかり
Text by ヒワタシサキ