赤犬

ナノボロ2022
ナノボロ2022

KBSホールの空気が一気にお昼の番組の世界観へ

ボロフェスタ1日目、ORANGE SIDE STAGEの1番目を飾るのは赤犬。暗転と共に、赤い衣装の輝く楽器隊による演奏でスタートをきった。楽器隊は赤、ナイトサパーズ(Cho)の3人は青、そしてタカ・タカアキ(Vo)は白。それぞれ色の違うジャケットを身に纏ったメンバーが、大人の色気たっぷりに堂々とパフォーマンスを始める。

「学校がお昼で終わって、そのあと家で見る昼のテレビ番組の感じで見てください」というタカからの話のあと、始まったのは赤犬の定番曲“おちょう婦人”。サビやアウトロでの特徴的なダンスや、赤犬ならではの大所帯で華やかなステージ・パフォーマンスによって、少しずつ会場の空気もあたためられていくのが肌で分かる。

“おちょう婦人”終了後、タカがステージ袖へはけると、そこから2曲続けてナイトサパーズ3人のステージが始まった。“クイズなるほどゼミナール”では3人の華麗なコーラスをホール全体へ響かせる。と思えば、先ほどまで着ていた青い衣装を突然脱ぎ出し、気が付けばねじりはちまきに白の半股引のお祭り男に変身したナイトサパーズ。“めんとこおけさ”を力強く楽しく歌い上げ、楽器隊の厚みのある演奏も相まって会場全体を一気にお祭りの雰囲気へと変えていった。お祭りがテーマの今回のナノボロに合った演出に、思わずお客さんたちも少しずつ体が揺れ始めていった。

その後お祭り衣装に着替えたタカがステージへ戻り、“アンドロメダ大将軍”“タカアキのズンドコ節”と続けて会場を盛り上げていく。最後の曲“酔わせてよ神戸”ではナイトサパーズが法被を身に纏い、更に会場をお祭りの空気へと変えていった。始めは不思議そうに見ていたお客さんも、その頃には全員笑顔で思い思いに体を動かして赤犬の世界観を楽しんでいる様子だった。

その後もナイトサパーズの組体操や、ステージ上でサイトサパーズにメイクされるタカ、終わると見せかけて終わらないといった様々なバラエティーに富んだ演出によって、最後の最後まで楽しませてくれた赤犬。35分間のステージが終わったホールには、まさにお昼の番組を見終えたあとのような満足感や幸せな空気が漂っていた。

Photo byコマツトシオ

Text by 風希