ドラムとギターの間に見える鴨川
ほろ酔いの街の底STAGE。
 どこか山奥で定食くらい量のあるランチを出すような喫茶店を営んでいそうな2人だな、と呑気なことを考えていると、轟々のシューゲイザーギターが鳴り響き「たいくつ」が始まる。
 ドラムはというと地を踏み締めたくなるずっしりとしたビートだ。


「コロナと戦争があって眠れなくて、とにかく思ったことを詰め込んだ曲をやります」と祈りの音楽が美しく響く。
 ギターとドラムのツーピース。
 2人の間には、京都の歴史を刻んで流れてきた鴨川が見えた。

ボロフェスタには9回目の出演であるメシアと人人は、長らくホストバンドとしてボロフェスタを作り上げてきた。
 今年、福田夏子(Vo&Dr)は舞台監督、北山敬将(Vo&Gt)は野外のフードブースを担当しており、2曲目を終えるとつぶやくようにメニューの宣伝をする。
 また、2人とも、明日のこのステージを締めくくるHARD CORE DUDEのTシャツを着てきたと言う。
 自分たちの宣伝よりも明日のアーティストについて宣伝する。メシアと人人からボロフェスタの愛が十二分に伝わってくる。

「GUM」で切れた北山のギターの弦。
 メシアと人人は急遽予定になかった1曲で、ギターの弦が欠けているのを感じさせぬ、力強い演奏を見せた。
メシアと人人の直後にホールでスタートしたTHE BAWDIESが
 「ホットドッグ食べよう!」と叫んで「HOT DOG」を奏で始めていた。
 北山が店番を務めるKBS食堂では偶然にもホットドックの販売がある。フードも合わせて楽しみたい。
Text by 小池迪代
Photo by リン



