くぴぽ

ナノボロフェスタ2020
ナノボロフェスタ2020

Text by 石上温大
Photo by 関ゆかり

4人となった新生「くぴぽ」が
是が非でも盛り上げ、2日目Never Dieステージ開幕!

「ナノボロフェスタ2020」2日目のNever Dieステージのトップを飾ったのは、自称「大阪で一番売れてないアイドル」の「くぴぽ」だ。
今日は初恋いちごレッドのまきちゃん、セルリアンブルー担当のなだれ、あげぽよピンクのひめちゃんに加え、約2週間前に加入し、まだデビュー・ライヴから4日だという新メンバー、小悪魔ホワイトのあむを含む新体制4人でのステージとなった。

まきちゃんだけ直径2m弱あるクリアボール内に入った状態で、器用に転がりながら登場し、「出囃子っぽ」で元気良く、明るくスタート! ソーシャルディスタンスを保ち、声の出せない状況でもお客さんを楽しませる「くぴぽ」の今流の演出なのだろう。くぴぽのファン、通称「くぴーぷる」以外のお客さんも驚き、思わず笑ってしまっていた。

また、あむは「IDOL OF DARKNESSっていうのはわたしのこと」などとツイートしていたが、そのイメージとは裏腹に、ステージではヒラヒラとした真っ白な衣装に身を包む、正統派に可愛らしい女の子という印象だった。

続く「愛のDIVE、廃人DANCE」でも、まきちゃんはボールに入ったままで、何度も転倒しながらフォーメーションを移動し、ボール内で歌って、踊っていた。次の「PAINT PAIN平成」でようやくボールの空気を抜き、汗だくのまきちゃんがステージに立つ。アイドルのライヴ初体験の筆者にはあまりにも衝撃的で、唖然とさせられた。

「笑えノイローゼ」に続き、「PEOPLE!!」では、「仲間だって変わった/我らがくぴぽ」と歌う詞が今の「くぴぽ」とリンクしていて、メンバーが幾度となく入れ替わろうとも、まきちゃんが志向する「くぴぽ」で表現する愛や夢、「カワイイ」は決してブレないことを証明するようだった。またメンバーがステージのギリギリまで出て行き、手を伸ばし、くぴーぷるを沸かせていた。

ラスト「もう恋なんてしないし、恋なんてしないなんて言わないし、もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対なんて歌わないよ絶対」では、まきちゃんが頭で風船を割ったり、メンバーを腰に巻き、回転しながら歌ったりと、まきちゃんのバイタリティがスパークして、フィニッシュ。

ライヴで4人の生き様を目の当たりにした。こんなにもステージで、藻掻き、転げ回り、泥臭く、お客さんを楽しませるアイドルが他にいるのだろうか。

今日の公演では、ステージを下りてのカラーボールや風船の投げ合い、メンバー紹介時のまきちゃんの本名「服部」コールなどはご時世的に叶わなかった。それでも、ナノボロフェスタの歴史と集まったお客さんの記憶に確かな爪痕を残した。

大阪のライヴ・ハウスを中心に、精力的に活動する彼女たち。くぴーぷる以外の人も食わず嫌いせずに、ぜひ “ライヴ” でその生き様を目撃してほしい。