Laxenanchaos

ナノボロフェスタ2020
ナノボロフェスタ2020

Text by 石上温大
Photo by まい

Laxenanchaosの音楽世界を
解像度高く表現したステージ

続いてLive Foreverステージに登場したのは、2014年から活動を開始した、日本のエレクトロニック・ダンス・ミュージック・アーティスト「Laxenanchaos」だ。
ブレイクコア~IDM~フットワーク~テクノといったエレクトロニック・ダンスミュージックからポストロック~アンビエント~エクスペリメンタルに至るまで、多様なジャンルを取り込んだエモーショナルでカオティックなグルーヴが特徴的なアーティストである。

余分な情報を削いで、純粋に音楽を発信したいという思いから、マスクにフードというスタイルで活動している。

彼が有機的に生み出す多彩な音が狂おしいほどに凄絶でドープだった。そこらへんの奴にはノれないであろうアンセムで、集まったオーディエンスがクネクネと体を揺らすなど、自由にその感興に浸っているのが美しかった。

筆者も彼の音楽に扇動され、全細胞が覚醒していくような、細胞単位でそれぞれのポテンシャルが全開となっていくような感覚があった。
ダンス・ミュージックにはオーディエンスをエスケープさせてくれるような魅力があると悟った。

時折ヘッドホンが落ちるほど、Laxenanchaos自身が誰よりもエモーショナルに踊り狂っていた。ルーツはロックでありバンドのLaxenanchaos。ロックキッズにも届く音があったはずだ。

音がフェードアウトしていきフィニッシュ。ライヴ後には、高揚感と充足感で満ちたフロアから大きな拍手が送られ、「最高や」と言っていた人が印象的だった。

7月には自主レーベルからアルバムをリリース。現在も複数のEPやアルバム製作を進めつつ、世界を舞台に精力的に活動する彼の新たなフェーズにも要注目だ。