THE FULL TEENZは、とまらない、とめられない。
ハンブレッダーズからバトンを引き継ぎ、ORANGE SIDE STAGEに登場したのは、地元京都発のインディ・パンク・トリオ、THE FULL TEENZだ。
ボロフェスタには2014年から4回出演しており、初のワンマン公演(2018.12.8)を京都ライブハウスnanoにて行うなど、ボロフェスタとは縁が深い。
ライヴは、十八番であるショート・パンク・チューン “Sea Breeze” から。軽快なメロディーとパンクのスピード感でもって淡い青春の風景を描く。インディ・ロック的な粗さとキャッチーなポップさとが同居しているTHE FULL TEENZの音像が、オーディエンスの心を鷲掴みにする。
夏の曲は続き、 “未成年” から “swim! swim!” へ。菅沼祐太(Ba,Vo)がノリのいいリズムを刻み、伊藤祐樹(Vo,Gt)のリヴァービーなギターサウンドが場内を支配する、パンキッシュなバンドアンサンブルは爽快だ。
艶のあるメロウ・ナンバー “雲ひとつない”では、オーディエンスにじっくり聴かせるように、伊藤の儚くも力強い歌声がKBSホールに響いた。また、雲ひとつない青空とのコントラストでもって自らの現状を憂いたような歌詞も、バンドが醸すきらびやかな焦燥感からか清々しさを感じた。
MCでは、「ボロフェスタは大切な “遊び場” なので、またこうやってライヴできることがうれしい!みんなずっと “ボロ” でいてください!」とボロフェスタ愛を伝えた。
ライヴは、 “YOU” から “ビートハプニング” へ。息切れする間もなく気迫とポップで押しまくる。彼らの本気がビシバシ伝わってくる。
最後は、真骨頂であるスピード感と展開のある歌ものを掛け合わせたような “PERFECT BLUE” 。サビでは、伊藤と佐生千夏(Dr,Vo)が作るハーモニーに刹那と切なさを感じ、グッときた。
瑞々しい疾走感とどこまでもキャッチーなメロディーでもって、35分間のステージを一気に駆け抜けた。
THE FULL TEENZはむき出しだったし本気だった。その切実さに胸が打たれた。