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ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

ボロフェスタ事件簿 番外編

どうもこんにちは、ボロフェスタのクイックレポートを担当している写真・ブログチーム(通称写ブ)です。

サニーデイ・サービスのレポートをもって、20周年を迎えたボロフェスタ2021 〜20th anniversary〜のクイックレポートも更新完了になります。みなさん、ご来場いただき、また配信をご覧いただき、レポートもお読みいただいたりとありがとうございました。

最後に、サニーデイ・サービスの裏で起きていた20周年最大の事件についてのお話をしてこの投稿を締めたいと思います。

11月7日、ボロフェスタ最終日。サニーデイ・サービスの1曲目が始まったときに事件は起きました。私たちが当日の朝に完成させた大切なエンドロールのデータが、間違っていたことが発覚したのです。本番用のデータ名は「02」。スタッフが当日持ってきていたデータは「01」。これは修正前のデータでした。

エンドロールの製作は現場とは別のところで行っているので、すぐに修正することもできません。スタッフたちは、ストレージにあがっている「02」を限られた時間でダウンロードしようと試みます。スマホのテザリングではうまくいかなくて、KBSホールのwifiをお借りしたり……。ダウンロードを始めると、データはなんと15GB。所要時間表示では30分かかるとのこと。またダウンロードしたエンドロールのデータをハードディスクに移す作業も残っています。サニーデイ・サービスはアンコールを含めても残り40分。

エンドロールには、スタッフのクレジットはもちろん、写ブが撮影してきたライヴ写真も掲載されます。もちろん、みなさんが楽しんでいる姿や、スタッフが頑張っていた瞬間も……みんなの想いが詰まったこのエンドロールを最後に流して、みんなで20周年を終わらせたい。でも、このままではそれがすべて無しになってしまうかもしれない。どう時間を稼ごうか、曽我部さんにお願いしてダブル・アンコールを検討してもらおうか、それとも頭を下げて、「エンドロールはありません」とみなさんに伝えるべきか……主催陣はインカムで連絡を取り合いながら、対応していきました。

一方、サニーデイ・サービスは音源よりも長尺な“セツナ”をドラマチックにプレイし、“若者たち”で本編を終えました。いよいよ残すところアンコールのみ。サニーデイのみなさんが舞台から降りたそのとき、エンドロールのデータをハードディスクに移す作業が行われていました。こちらの所要時間は12分。アンコールを入れてもちょうどです。

張り詰めた空気の中、「なるべくゆっくりやってもらって!」という無茶な指示に、パーティナビゲーターのミノウラヒロキが対応します。厳しいかもしれない……というところで、急にダウンロード時間が縮まる奇跡が! ラスト15秒前、スタッフのインカムからは「いけます!」との声がかかり、映画「サマーウォーズ」のあのシーンか、というくらいのクライマックスで、無事にエンドロールを流すことができたのでした。いやいや、本当によかった!しばらく手の震えが止まりませんでした。

毎年のように流しているエンドロールでも、この20周年6日間の締めくくりこそ、絶対にみなさんと共有したかった――そうしたみんなの想いが奇跡を起こしたのだなと思います(もちろん、データの間違いがないようにするのがいちばんではありますが)。

筆者も写ブのリーダーとして、カメラ担当スタッフたちの頑張りが形になるこの機会を台無しにしてたまるか、という想いでした。また、配信のパーティナビゲーターで写ブの副リーダー・おぎまゆたちが作ったエンドロールを、絶対に無駄にしてはいけないという想いもありました。

順調に進んでいたはずの20周年ボロフェスタ6日間。最後の最後にこんなトラブルが起きるとは思いませんでしたが、今ではもう笑い話です。みなさん、笑ってやってください。そして、30周年、40周年になったときに、この事件をまたZINEに書いておいてもらえると嬉しいです。

Photo by リンコマツトシオ

Text by 梶原 綾乃