観客の心を掴んだKOTORIのライヴ
2日目ORANGE SIDE STAGEのトップバッターを飾るのはKOTORI。
観客席を見ると、10代から20代の若いお客さんが特に多い印象だ。若い人たちを中心に人気なのは、曲の疾走感、まっすぐな歌詞、いろいろな要素が多くあると思う。
それらに加えて「言葉にできなかった気持ちを代弁してくれる」存在となっていることが、一番の理由なのではないだろうか。
1曲目の“We Are The Future”では歌詞の一節に『たとえば世界が終わるとして僕には何ができるのだろう』とある。
私は新型コロナウイルスが蔓延して本当に世界は滅亡するのではないか?と考えたときがあった。世界が終わるだなんてフィクションの話だと思っていたのに。当たり前のように会っていた人とは会えなくなり、歌詞のように、終わるときに私には何ができるのか、悲しくなりながらも大切なことだと噛み締め考えたこともあった。
変な言い方だが、こんなきっかけが無いと思いもしなかった。
ゆるやかなメロディと横山優也(Vo.Gt)の力強くも語りかけるような声で届くその歌詞に、深く深くうなづく若いお客さんが多くいた。
また“素晴らしい世界”の『言いたいことは山ほどあるけど』の部分では多くのお客さんが拳を突き上げていた。
拳ひとつひとつに魂が乗っているかのように、俺も分かる、私も分かると伝えるかのように突き上げていた。
ひとりひとりの言いたいけど言えない、言葉にしたくてもできない。そんな想いを彼らが代弁してくれているような空間だった。
まだ時間はかかりそうだが、KOTORIに直接声を届けられる、またいっしょに歌える日を願っている。