LOSTAGE

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

LOSTAGEが奏でる希望のライヴ!

ボロフェスタ1日目も、残すところあと2バンドとなった。the telephonesからバンドを引き継いだのはLOSTAGE。ホールでは多くの観客が彼らを待っていた。

アコースティック・ギターと暖かいサウンドでライヴが始まり、蒼く透き通った歌声がKBSホールに響く。今回のボロフェスタの出演は6人体制になっており、爽やかでありながら重厚感のある音楽が演奏された。一見軽やかに聴こえても、際限のない世界観に引き摺り込むような緩急のある音楽が彼らの魅力だ。

五味拓人(Gt.Vo)はMCでナノボロの出演について触れた。ナノボロでは当初五味の弾き語りが予定されていたが、コロナ禍において出演キャンセルが相次いだ中で3人編成での出演を快諾してくれたのであった。そんな中で、間髪入れずこのボロフェスタに出られたことが嬉しいと語った。彼はTwitterでも呟いていたが、「1人でも3人でも6人でも、やっていることは同じ音楽だ、さらには演者と観客との垣根も越えて音楽を楽しみたい」とも語った。

そんな思いを乗せて、ライブ中盤では一昨年リリースのアルバム『HERVEST』から“HERVEST”が披露された。圧倒的なサウンドで会場の熱気も最高潮。自然に巻き起こる手拍子や、興奮を抑えきれず手を高く振ったり大きく身体を揺らしたりする観客の姿が見られた。

彼らの音楽に浸り時間を忘れ、あっという間に最後の曲になってしまった。“NEVERLAND”のイントロが始まった途端、喜びの拍手が巻き起こる。ギターを高く掲げ帽子を落として激しい演奏を披露する五味。音楽を深く愛す彼らのライヴは、長く続く迷路のような日常から、手を差し伸べて救い出してくれるようだ。LOSTAGEが多くの人間に、長く愛される理由をみているようなライヴだった。

Photo by リン
Text by ヒワタシサキ