KONCOS

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

I like KONCOS

「KONCOSと言います! 昨日は下北沢のSHELTERでライヴでしたが弾丸で来ました! ボロフェスタ、京都が大好きです! 35分ノンストップで行きます! よろしくお願いします!」 。古川太一(Key)は興奮気味に話す。はるばる東京からやってきた彼らの演奏がはじまった。

キーボードから流れるしなやかなメロディに、紺野清志(Dr)の力強いドラミングではじまった“Palette”、“月待つ島まで”では、トロンボーンとサックスが登場し、フルセットに。優しくもどこか陽気なメロディ。会場は横揺れしてノリだす。なるほどKONCOSは、こういう曲を演奏するバンドなのか! と全体が感じた一曲だったなと振り返る。

MC途中、古川は「年間100本やってたバンドが(ボロフェスタで)10本目だよ、頑張ろうとしても、音楽をつくる気も無くなるわけ」と音楽を愛するが故の本音を漏らした。さらに昨年は、コロナの影響で多くのライヴ・ハウスが止むなく閉店した。ライヴ・ハウスが無くなることは自分たちの音楽を止められているようなものだから、無気力になるのも無理もない。以前、KONCOSはライヴ・ハウスを守る意義を、報道番組を通して伝えていた。大義を持つ彼らが歌う”I like it”。佐藤寛(Gt)の「愛することを決めました」というフレーズに、KONCOSの音楽への覚悟を感じた瞬間だった。

会場には古川がデザインしたTシャツを着たファンが見えた。好きなバンドのTシャツを着てライヴを見る日常に戻りつつある。誰にとっても愛を伝えられる場所がはやく訪れますように。

Photo by コマツトシオ

Text by けんてい