特別編成でも変わらない、ドラマチックなステージ
ボロフェスタ、ナノボロフェスタに来たらぜひ見たいバンドのひとつ、TOKIMEKI☆JAMBOJAMBO。
ボロフェスタの主宰メンバーのひとり、オカムラヒロコのバンドだ。
彼女たち、いつもはギター・ベース・ドラムス・ピアノの4人編成で鳴らすインストゥルメンタル中心のバンドなのだが、この日はオカムラヒロコ(key)、岩井ブロンソン(dr)の2人編成に。hayashi toto(ba)が前半にソロ・セットを、後半はオカムラと岩井でTOKIMEKI☆JAMBOJAMBOという、1グループでいて2編成の新たな試みとなった。
まずオンタイムに現れたのはhayashi toto。サンプラーを駆使し「See you…this is our place」から始まる。リアルタイムで音を重ねながら複数の楽曲をひとつなぎにまとめていく様子は、まるでDJプレイのよう。その腕のよさは観客を喜ばせ、大いに踊らせた。うなるようなループ音、クラップ、掛け声、エスニック感のあるウワモノのきらめき。ジャングルを進むようなうきうき感と、楽曲自体の美しさが共存したエキゾチックなステージだった。
続いて、オカムラと岩井がステージに登場。hayashi totoとはまた違った、張り詰めた空気が会場を流れる。キーボードとドラムそれぞれの位置に着くと、呼吸を合わせて「夢みるカララ」がスタート。オカムラのキーボードは、繊細な手つきでも力強い打鍵で、観客を圧倒する。岩井の手数の多いテクニックや、祭り囃子のようなダンサブル感も素晴らしい。時折笑みがこぼれる2人のセッションに、胸がときめいた。
続いての「雨過の舟」は一転、二人のコーラスが入った歌モノっぽい楽曲だ。ささやくような声と、歌うようにぽつりぽつりと奏でられる情緒あるキーボード。その中に一筋光る、力強いメロが印象的だった。最後は「走れカカポ」をダイナミックにプレイ。こちらはアップテンポでどこかジャズっぽいナンバー。最後の最後まで熱量たっぷりでドラマチックに演奏し、観客もその世界にぐっと引き込まれていた。
いつもとは違って人数も音も少ないのだけれど、それでも彼女たちの世界観は全く変わらなかったし、シンプルなセットならではのよさが生きていたと思う。次回以降はどんなセットになるかどうかはわからないが、私はこの日、TOKIMEKI☆JAMBOJAMBOに惚れ直してしまった!
「ボロフェスタに来て彼女たちを観ない」という人がいたとすれば、それはとてももったいないので、ぜひ観てほしい。