聴く人の心を惹きつけ魅了した尾崎リノ
だんだんと夕暮れが近づき始めた時間に、どすこいステージに登場したのはシンガー・ソング・ライターの尾崎リノ。
落ち着いた照明の中で、アコースティック・ギターをゆっくりと爪弾き1曲目の「或る漁港」を歌い始める。
透明感のある声に時折ささやくような声を織り交ぜた彼女の歌声は、歌詞の世界観をより引き立てて聴く人の心をぎゅっと掴む。
繊細で優しいアコギの音色とともに歌声が響いていく様子は、なんとも言い難い美しさがあった。
時折アコギを叩いて軽快にリズムを刻みながら、丁寧に歌を紡いでいく。
特にポエトリー・リーディング調の「部屋と地球儀」では、最初の1音目で観客をハッと惹きつけ、そこから展開していくメロディと歌詞のストーリーに聴く人がどんどん引き込まれていくのを観じ、彼女の持つ表現力の高さを体感した。
ラストは力強いストロークで「夜中のライブハウスに」を歌い上げ、初出演のナノボロフェスタで大きな存在感を見せた。