じわじわと内側から熱くなっていくような感覚
ULTRA CUBが終わった瞬間舞台が切り替わり、最終日のGREEN SIDE STAGEが幕を開ける。白昼堂々、「髪の毛一本残さずささげようと思いますボロフェスタ」と宣言して、このステージのトップバッターを飾ったのは神戸発のロック・バンド、さよならポエジー。「喋るより演奏する方が得意です」と語ったオサキアユ（Vo.Gt）をはじめとして、ライヴ中に多くを語らず、演奏で魅せる彼らは一曲目「オールドシンク」から観客のワクワクした気持ちを一気に高めていく。
岩城弘明（Ba.）、ナカシマタクヤ（Dr.）も頭を大きく振りながら全身で音に没頭している。曲間にギターで遊ぶようにかき鳴らす姿も見え、言葉にしなくともボロフェスタを全力で楽しんでいるステージ上に、思わずオーディエンスの頬が緩む。
ロックなサウンドと、激しくも耳に溶け込むようなオサキが持つ独特な声に、我々の身体がじわじわと内側から熱くなっていくようなライヴが展開される。
「大事なのはどういう人が何をつくるのかで、どういうものかよりも誰がしているのかに興味がある」オサキはそう語り、最後の「前線に告ぐ」まで駆け抜けた。
大人の文化祭のようなボロフェスタ、作っている人の顔が、オーディエンスの顔がよく見えるこのGREEN SIDE STAGE。最初に宣言した通り、メンバー全員“髪の毛一本残さず”ささげてくれた。
