KONCOS

ナノボロフェスタ2020
ナノボロフェスタ2020

Text by 村尾ひかり
Photo by やまだのどか

KONCOSがナノボロに帰ってきた!愛と希望に満ちたフロア

続いてNever Dieステージに登場したのは、ボロフェスタにとってなくてはならない存在のKONCOS!
実は“またナノボロフェスタで、Livehouse nanoで演奏するKONCOSが観たい”というスタッフたちの想いから出演がオファーされたのだが、情勢の変化により場所を移してKBSホールでの開催となった。それでも彼らはまた京都に帰ってきてくれた。

「東京下北沢から来ましたKONCOSです、よろしくお願いします。ナノボロー!」
古川太一(Key,Ba,Vo)がそう挨拶してキーボードを弾き、佐藤寛(Vo,Gt)がリバーブのかかった声で歌い始め、「All This Love」へなだれ込んでいく。
彼らの登場を待ち望んでいたかのようにフロアに人が集まり始め、のっけからピースフルな多幸感に満ちた空間ができあがる。
「Citrus」では古川がマイクを手に取ると、ステージから飛び出さんばかりに動きまわりながら歌い、「Parallel World」では「手をあげろ!」という歌詞に合わせてフロアからたくさんの手が挙がる。

最初のハイライトとなったのは新曲の「Nites Like This」。緊張感のあるギター・リフから始まったヒップホップ調の楽曲で、古川が「照明を消してくれ!」と言ってスマートフォンのライトを掲げる。それに応えてフロアからもたくさんの光が集まり、投光器すらない会場で一人ひとりのライトが光る感動的な光景が生まれた。

このコロナ禍でライヴハウスのため、音楽のために下北沢から活動を続けてきた彼ら。
「現場を知らない奴が言ったことで、現場は大変なことになってる。さっき(トークイベントの中で)飯田さんも言ってたけど、自分たちのルールは自分たちで作ればいい。京都アンダー・グラウンド、いつも僕らを受け入れてくれてありがとう」そんな古川の言葉に続いて、佐藤が語りかけるように歌い始めた「I Like It」の温かなメロディと歌詞、自然と沸き起こっていくシンガロングに思わず胸が熱くなる。
演奏中に何度も「京都!」「東京!」と繰り返し、今このかけがえのない瞬間を共有することで、ふたつの都市が音楽で繋がっていくのを確かに感じた。

ラストは「月待つ島まで」。多幸感で溢れた会場にこだましていく「また会いたいなって思った」という歌声を聴きながら、“私もまた会いたいよ”と強く思った。