Lil Soft Tennis

ボロフェスタ2019
ボロフェスタ2019

鬱屈とした日々を、切り裂いていく

さて、OGRE YOU ASSHOLEの狂乱としたライブのバトンを引き継ぐのは、大阪発のLil Soft Tennis。
1990年~2000年代のインディ・ロック、グランジからのバイブスを影響下に感じさせながら、ハイパー・ポップ、トラップなど、現代のオルタナ・ヒップホップのノリを昇華させたスタイルが人気を集め、徐々に支持基盤を拡大させている注目のアーティストだ。

“Bring Back”、“New Orgy”と、ノコギリのようにざらついたギター音が、日々の鬱屈をつんざくようにフロアに響く楽曲が続き、そこから“Medecine”の一音目から、5倍増しでひずんだ音像が会場を覆い込む流れはとくに印象に残っている。この迫力と精神性がLil Soft Tennisなのかと、圧倒されてしまった。

途中、HEAVENのメンバーであるRY0N4とaryyが登場。ここまでは想定内だったのだが、aryyの前名義時代の楽曲「Kyoto」を聴けるとは思わなかったので、個人的に一番アガる瞬間だった。ステージで飛び跳ねながら歌うaryyへのアンサーとして、Lil Soft Tennisの儚げなバースが心地よく耳に馴染む。この楽曲に限らずではあるが、このコンビネーションの良さが、HEAVENとしてステージに上がる所以なのだろう。

HEAVEN名義の1stアルバムのリリースに、東阪でのライブを控えている他、全国各所で精力的、いまのLil Soft Tennisを目にすることができてよかったと思う。これからの活躍も注目していきたい。

Photo by 関 ゆかり
Text by 増井