Summer Eye

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

誰しも、心に丸いオレンジひとつ。

Summer EyeがMETROに参戦だ。再び音楽をやる、ということで2021年12月にファースト・シングル「人生」のリリースとともにSummer Eye名義でデビューした彼。今宵はmogran’BAR直後のSIDE STAGEから登場し、音に憑依し体を捻ったりくねらせながら歌う姿は、“全身で歌いあげる”という表現がぴったりだ。

「求婚」でFRONT STAGEに移動したかと思えば、すぐにフロアに降り立ち、沢山のお客さんに囲まれながら「僕ならとっくに本気です 結婚しようよ」と歌いあげ、METROは完全に彼の雰囲気に包まれた。その勢いそのままに、続く「双六」では「すき焼き食べたいんだ! 」の大合唱。

「帰ったらみんなひとりだから、今日は楽しんで帰ろうぜ! 」「ステージそんなに好きじゃないんだよね。」と言って何回もフロアに降りたり、音を操るように手を大きく広げてゆらゆら揺れたり、お客さんに絡みにいったり。そんなラフさも含めて気持ちいい空気感だ。「じゃあ次ヒット曲! あと2曲! 」と叫び、「そばにいて そばにいて そばにいてよ」と「失敗」を歌い上げると、超満員のフロアは今日いちばんの大盛り上がりだった。

日々生活を送る中で明日のことは誰にもわからない。だけど、これからは「いいことばっかり 起きたらどうしよう? 」くらいラフな気持ちで、気負わずに生きていきたい。そして、誰しも心の中にあるアツい気持ちにも正直に向き合っていきたい。Summer Eyeのライヴをこの深夜帯に聴いたからこそ、スッと心に入ってくる気持ちが、そこには確かにあった。

Text by キムラアカネ

Photo by shohnophoto