TALK SESSION「ウクライナ避難民の方々の想い」

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

目を逸らさないで向き合う

空が暮れ泥み出した16時45分。多くの方々に見守られながら、TALK SESSION「ウクライナ避難民の方々の想い」がスタート。ウクライナから京都市へ避難されてきたポリナ・フルマノワさん、ユリヤ・ボンダレンコさん、セルヒー・マズニェフさんをゲストに迎え、どすこいSTAGEから、スペシャルなトークをお届けした。また、インフォメーション/物販ブースではチャリティーボックスの設置、フード/ドリンクブースでは、チャリティーメニューの販売が行われた。

飯田仁一郎(ボロフェスタ代表)が司会を務めるインタビューにより始まった、TALK SESSION。ウクライナで侵略が始まったときの心境から、侵略を受け京都に避難してきた経緯、ロシア人との友好関係の変化、理想の未来などについて語られる。

現在のウクライナの様子を聞かれ、ポリナさんが話したある地域での兵士による女性強姦事件の惨憺たる話。同じ空の下に起きていることだなんて、信じられなかった。「実体験からお客さんに伝えたいことは」という質問では、ユリヤさんの「悪いと思うこととか、不公平とか、不平等とかに目を逸らさないで」という言葉が印象的で、ずっと忘れずにいようと思った。そして、生の声には説得力があり、セルヒーさんの「今ある自分たちの平和を守って」という想いに、飯田が感極まっていたのも共感した。

多くの生命が失われる戦争や自然災害、事故。そういう具体的な経験がなくても、今、殺伐とした世の中に生きてて、他の人ではなく、自分が生き残ったことには、一体、何の意味があるのだろう。疲れている時代。束の間現実を忘れるような音楽が、今聴こえる。

Photo by 瀬藤育
Text by 石上温大