彼らの音色は何色にも染める
タイムテーブルが押していた関係でPK shampooの演奏後すぐの登場となったHelsinki Lambda Club。しかし焦ることもなく登場し、チューニングを合わす。彼ら特有のゆるっとした雰囲気をぶち壊すように、橋本薫(Vo,Gt)がギターをジャカジャカとかき鳴らす“ミツビシ・マキアート”でライヴはスタート。
なかなかに広いKBSホールが小さく感じるくらいデッカい音が会場に響く。筆者は、彼らの楽曲が、鼻歌のように心地よく流れるイメージがあったので、まるでガレージ・ロック・バンドのような演奏に驚き、愉快な気持ちになった。彼らの楽曲は、リスペクトしている様々なアーティストのテクニックを、Helsinki Lambda Club風に落とし込み、再講釈して曲を提供しているように感じられ、その変幻自在な演目に筆者は驚きを隠せなかった。
“Debora”では60’sを彷彿とさせるロックに彼らの甘美なメロディが黄色い声援が上がるようで、“PIZZASHAKE”のファンク・サウンドは波打ち際での演奏を想像させた。“IKEA”のサイケデリックな楽曲はOGRE YOU ASSHOLEの楽曲に近い感じを思わせたが、彼らなりの表現で白昼夢を見せていた。新曲“Be My Words”でのグルーピーなサウンドは、どこか懐かしく、それでいて彼ららしいサウンドに、会場は横揺れで気持ち良くなっていた。誰にでも耳馴染みのよい音を届けるHelsinki Lambda Club。彼らのどんな曲にでも自分らしさを溶け込ませるところが、彼らが老若男女に好かれるポイントなのだろう。
Photo by リン
Text by けんてい